
★福沢 一郎 (ふくざわ いちろう)
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類希なる発想力と斬新な色彩センスで、人間社会の深淵を根源的に描いた福沢一郎。1898年(明治31年)群馬県出身の画伯は、東京帝国大学文学部に入学するも、勉学よりも彫刻に惹かれ、朝倉文夫の彫塑塾に入門しました。そして、1922年の帝展で初入選し、彫刻家を志して'24年パリに渡りますが、旅行先のブルターニュで描いた油彩画がサロン・ドートンヌに入選し、'27年に彫刻から絵画へ転向しました。渡仏当初は、シャガールや初期ルネッサンスに感化されましたが、やがてルーベンス絵画に傾倒し、'29年からはキリコやエルンストに触発された超現実主義の絵画を描くようになりました。'30年には独立美術協会の結成に参加、その前後に二科展や1930年協会展、独立美術協会展に出品陳列された75点の作品をして、日本にシュールレアリスムを紹介したとされています。'31年に帰国後し、独立美術協会の中心メンバーの一人となり、精力的に多数の風刺的作品を出品し注目を集めましたが、'39年独立美術協会を脱退し美術文化協会を結成、同年には女性を対象とした美術工芸学院の創立に参加し、教授として教鞭を執りました。戦時中は弾圧を受け、前衛的な創作活動が厳しく規制された上、戦争協力画の制作を余儀なくされますが、終戦直後の'45年には日動画廊で個展を開催、渡仏時代のシュールな作品を発表しました。また、'47年に疎開先の軽井沢から東京に戻ると、日本アヴァンギャルド美術家クラブの結成に参加、戦後の人間風刺、中南米の風俗、ニューヨークの黒人などをテーマにした作品を経て、'70年頃からはギリシャ神話やダンテの神曲地獄編を主題にしたもの、さらには地獄絵を東洋的に解釈した精神性の高い作風などで新境地を切り拓きました。その間、欧州や中南米の国際展や個展で活躍、'57年芸術選奨文部大臣賞、日本国際美術展日本部最高賞、'62年現代日本美術展国立近代美術館賞などに輝いた他、多摩美術大学や女子美術大学の教授を兼任しました。それらの多大な功績が評価され、'78年に文化功労者に顕彰され、'91年には文化勲章を受章するに至りました。没後の'94年、世田谷区に福沢一郎記念館が開設、その後も各地で回顧展が開催されるなど、今なおその人気が衰えることはありません。作品は、東京国立近代美術館、群馬県立近代美術館、愛知県美術館などに所蔵されています。
【略 歴】
1898年 群馬県出身
1918年 第二高等学校(現・東北大学)卒業
東京帝国大学(現・東京大学)文学部入学
朝倉文夫の彫塑塾に学ぶ
1922年 帝展彫刻部に入選
1924年 彫刻を学ぶために渡仏
油彩画「ブルターニュ風景」でサロン・ドートンヌ入選(同27、28年)
1925年 巴里日本人美術家展出品
1927年 絵画を本格的に開始
1928年 個展開催(ギャラリーMOTS ET IMAGES)
1929年 滞欧作が10点を二科展に特別陳列
佐伯祐三、前田寛治、里見勝蔵、木下孝則、小島善太郎らの1930年協会に参加
1930年 独立美術協会結成に参加
1931年 帰国、滞欧作が独立美術協会展に特別陳列
1939年 独立美術協会を脱退し、美術文化協会を結成
美術工芸学院創立に参加
1941年 終戦まで前衛的な絵画活動を厳しく制限され、戦争協力画制作に従事
1945年 個展開催(日動画廊、同46、48、49年)
1946年 日本美術会の結成にあたり発起人の一人となる
1947年 日本アヴァンギャルド美術家クラブ結成に参加
第1回日本アンデパンダン展出品(日本美術会主催)
1949年 美術文化協会を脱会
1950年 北海道を取材し、その風物を描く
1951年 南米サンパウロ美術展出品作品展
サンパウロ・ビエンナーレ出品
1952年 個展開催(日本橋三越、同53年)
福沢一郎・海老原喜之助展(神奈川県立近代美術館)
文化自由委員会の日本代表として国際フェスティバル(フランス)に参加
個展開催(パリ)
1953年 フランスからブラジルへ渡り、メキシコなどを旅行(~54年)
個展開催(サンパウロ現代美術館)
1954年 第1回現代日本美術展出品
1956年 個展開催「油絵展」でブラジル、メキシコの作品を発表(渋谷東横)
1957年 芸術選奨文部大臣賞受賞
日本国際美術展出品、日本部の最高賞受賞
1958年 毎日美術賞受賞
ヴェネツィア・ビエンナーレ国際展出品
1960年 読売新聞ベストスリー選出作家第1位受賞
多摩美術大学教授に就任
1962年 現代日本美術展で国立近代美術館賞受賞
1964年 女子美術大学教授を兼任
1965年 渡米、ニューヨークに滞在
スペイン、パリ外遊
1967年 オーストラリア、ニューギニア取材旅行
1968年 多摩美術大学学長事務取扱となる(~69年)
1970年 ギリシャ取材旅行
1971年 ヨーロッパ取材旅行
1972年 富岡市名誉市民となる
1974年 群馬県立近代美術館の名誉顧問に就任、作品51点寄贈
1975年 福沢一郎近作大個展開催(群馬県婦人青少年センター)
1976年 個展開催(群馬県立近代美術館)
1978年 文化功労者に選出
1980年 山梨県立美術館1階ロビーに壁画「失楽園」を制作
1981年 個展開催「魏志倭人伝展」(日本橋・なんば・高崎、高島屋)
1982年 前橋市民文化会館ロビーの壁画が完成
1983年 伊勢崎市文化会館に壁画「騎馬民族征服王朝説」を設置
1985年 東京・青山/こどもの城の壁画「ノアの箱舟」を発表
1986年 個展開催(富岡市中央公民館)
1988年 個展開催(群馬県立近代美術館、世田谷美術館)
1991年 文化勲章受章
文化勲章受章記念福沢一郎展開催(群馬県立近代美術館)
1992年 群馬県名誉県民に選出
没(享年94歳)
1994年 福沢一郎記念美術財団により、世田谷区に福沢一郎記念館開館
2002年 二人の超現実主義者・福沢一郎と三岸好太郎(三岸好太郎記念館)
2004年 福沢一郎-旅と芸術-(福沢一郎記念美術館、9/1~2005/4/10)
★主な所蔵美術館/東京国立近代美術館、群馬県立近代美術館、愛知県美術館、群馬県立館林美術館、山梨県立美術館、東京都現代美術館、北海道立近代美術館、高崎市美術館、信州高遠美術館、神奈川県立近代美術館、世田谷美術館、目黒区美術館、北海道立函館美術館、米子市美術館、福沢一郎記念館、他
★画 家:福沢一郎
★タイトル:「樽と哲人(ディオゲネス)」
★技 法:キャンバスパネルに油彩
★サイン:左下にサイン、裏面にサイン
★作品サイズ:30号、画寸91×72.8cm
★額装サイズ:113×95cm
★制作年:1970年
★作品状態:良好
★来 歴:1976年「福沢一郎展」出展作品(No.46),1971年「地獄門」出展
★福沢一郎鑑定委員会鑑定証書付
★付帯品:図録、さし箱、黄袋
★真作保証します
【発 送】
宅急便(大きな作品はヤマト便)で発送します。
送料は6000円御負担下さい(保険料込)。北海道・沖縄・離島は除く。
【ご注意点】
出品しているのは作品ですので、額・箱は商品ではなく付属品です。それらに関するクレームは一切お受け致しません。それら付帯品が輸送中に破損した場合、基本的には保険適用にはなりません。
また、新品ではないので神経質な方の入札はご遠慮下さい。経年の感があったり、シミや傷みなどがある場合がありますので、状態重視の方は入札をご遠慮下さい。
保証期間は落札日から90日間とさせて頂きます。
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